研究内容

共同研究

肺高血圧症の病態に関する研究(循環器内科学:基礎研究)

肺高血圧症の病態解析・治療介入を行っている。ヒト肺高血圧症の病態に非常に類似した肺高血圧モデルラットを作成し、肺動脈の内皮機能をはじめ、さまざまな血管収縮因子、弛緩因子が与える血行動態への影響、病態変化、治療効果等を蛋白・遺伝子レベルで検討している。

福岡県久山町の地域一般住民を対象としたコホート研究(衛生・公衆衛生学分野:疫学研究)

疫学研究。福岡県久山町の地域一般住民を対象としたコホート研究に携わり、脳卒中・虚血性心疾患、悪性腫瘍・認知症などの疫学研究、さらにこれら疾患の予防に関わる健康管理、健康増進を目的とした研究を行っている。

ミダゾラムがマウス海馬の神経新生に与える影響とそのメカニズムに関する研究(応用幹細胞医科学講座 基盤幹細胞学分野:基礎研究)

神経新生(neurogenesis)は、神経幹細胞が成熟ニューロンに分化する一連の過程のことであり、これまで胎生期や出生直後の発達期において認められていたが、近年の研究で成体でも海馬歯状回や側脳室といった限られた場所で一生涯続いていることが明らかになった。特に海馬におけるニューロン新生は、記憶・学習といった複雑な脳機能に深くかかわっていることが知られており、ニューロン新生を制御する機構や新生ニューロンの機能に関する研究が現在行われている。ニューロン新生はラットだけでなく、アカゲザル・チンパンジー・ヒトを含めた哺乳類において認められており、ヒトにおいては、成人の海馬よりそれぞれ約700~800個の新しいニューロンが産出されていると推定されている。成体海馬での神経新生の役割は現在でも明確には解明されていないが、記憶・学習機能や認知行動機能への関与を示す報告があり、疾患モデルマウスを用いた神経疾患の分子機序の解明が進められている。一方で、発達脳への麻酔薬暴露とその後の記憶・学習障害が多くの動物実験で示されており、近年では吸入麻酔薬と神経新生への影響が言われている。幼少脳へのミダゾラム暴露が神経新生に与える影響とその後の学習・記憶機能への影響を調査する研究を現在準備中である。

非心臓手術におけるプロポフォール投与後血圧変動の予測に関する研究(予防医学分野;臨床研究)

麻酔導入時及び気管挿管時には血圧変動が起こりやすく、血圧変動による種々の合併症が報告されている。プロポフォールは麻酔導入において一般的に使用されており、通常2-2.5mg/kgの投与で就眠が得られ、気管挿管に際し適宜追加投与することとなっている。高齢者や合併症のある患者では適宜減量する必要があるが、明確な指針はない。術前の患者データと麻酔導入時の薬剤投与及び血圧データより麻酔導入時の血圧変動に関わる因子を特定し、適切な投与量を算出するための予測式を構築することを目的としている。

痛みの脳内活動に関する研究 (臨床神経生理学 ; 臨床研究)

痛みに関係していると考えられる脳領域は、総称して 'pain matrix' と呼ばれているが、各領域の具体的な機能についてはまだ解明されていない。時間分解能・空間分解能ともに優れている脳磁図を用いて、 'pain matrix' に含まれている領域の機能解明を目指す。健康被験者に痛み刺激を与えて、その脳活動を記録するとともに、その反応が、視覚情報によってどう変化するか検討する。

脳における神経細胞の電気生理に関する研究( 久留米大学生理学講座;基礎研究)

神経細胞におけるイオンチャネルの電気生理に関する研究を行っている。 HCN4チャネルのノックアウトマウスや過剰発現マウスを使用して、パッチクランプ法を用いた電気生理学的手法により、GABA作動性神経細胞におけるHCN4チャネルの機能を調べている。

災害・救急医学分野:基礎研究

1.敗血症に対する脂肪由来間葉系幹細胞の血管内皮保護作用に関する検討
敗血症は、非常に致死率の高い疾患であり、多くの抗メディエーター療法が試みられてきたが、有効性を証明できず、新たなアプローチとして幹細胞による治療が注目されている。脂肪由来間葉系幹細胞は、サイトカインや増殖因子を分泌することでの抗炎症作用や組織修復作用、抗酸化作用等を有すると報告されている。
近年、敗血症の病態研究において、核内タンパク質のヒストンの細胞外遊離による毛細血管の内皮障害が、多臓器不全やショック、播種性血管内凝固症候群の原因となることが明らかにされてきた。本研究では、血管内皮障害モデルマウスを作成し、脂肪由来間葉系幹細胞投与による血管内皮保護効果の有無及びその機序を検討している。
2. 薬剤性心筋障害に対する、チオ硫酸の心筋保護効果に関する検討。
抗腫瘍薬においては、容量依存性に心筋障害を来すものがあり、集中治療の現場でも、重篤な心不全のため循環補助を要する症例が少なくない。
近年、種々の病態に対して、ガス状生理活性物質である硫化水素による抗酸化作用やアポトーシス抑制作用を介した細胞保護効果が明らかにされてきた。硫化水素の代謝物であるチオ硫酸は静脈内投与が可能であり、既に臨床使用されている安全域の広い薬剤である。本研究では、薬剤性心筋障害モデルマウスを使用し、チオ硫酸の薬剤性心筋障害における心筋保護効果の有無及び、機序に関して検討している。

大腸癌の進化に関する研究(九州大学病院別府病院外科:基礎・臨床研究)

大腸がんが非常に多様な遺伝子変異を持つ、不均一な細胞集団から構成されていること、またがん細胞の生存とは関係のない遺伝子変異の蓄積による「中立進化」によってこのような腫瘍内不均一性が生まれることが当研究室の進行がんの研究から明らかにされております。私はまだその一端を関わり始めさせていただいているという段階です。腫瘍内不均一性は、がんの化学療法における治療不応性や耐性化の原因となっていると考えられています。これからの研究の成果が、がんの多様化を阻害する治療方法や、不均一性を持つ細胞集団に効果的な治療戦略を考える重要な基盤となると期待されます。

心肺停止/心肺蘇生後の脳障害及び腎障害の病態及び治療に関する研究 (Oregon Health & Science University  麻酔科教室:基礎研究)

心肺停止・心肺蘇生 (CA/CPR) モデルマウスを使用し、心肺蘇生後の脳機能障害及び腎機能障害の病態解明を行なっている。数種類の遺伝子改変マウスを用いて、CA/CPR後の記憶障害発生とミクログリア活性化の関連について研究している。また、遺伝子改変マウスや種々の薬剤を用いてCA/CPR後に発症する腎機能障害(cardiorenal syndrome type I )の病態解明及び治療に関する研究も行なっている。

研究内容
基礎研究
臨床研究
業績
共同研究
ペインクリニックPAIN CLINIC