九州大学麻酔学教室は、昭和37年に古川哲二を初代教授に迎え7名のスタッフで開講しました。翌年には中央手術部が設立され、その後、集中治療部の開設(昭和43年)、ペインクリニックの発足(昭和45年)と臨床分野を拡充し、昭和52年の第2代教授吉武潤一の就任の年には救急部の設立も実現しました。以降も、当教室は主に九州圏内の大学および基幹病院に麻酔科開設の中心となる人材を輩出しつつ発展し、平成元年には麻酔科医の仕事を国民により広く理解してもらうことを目指して講座名を「麻酔・蘇生学」に、診療科名を「麻酔科蘇生科」に改めました。平成4年に第3代教授として高橋成輔が就任し、「医療安全」と「安心と納得の医療」の概念を全国に先駆けて発信し、更なる発展を遂げていきました。
平成20年に第4代教授外須美夫が就任し、平成25年には教室開講50周年を迎え、周術期管理にとどまらず、緩和ケアセンターの充実も含めた一層の医療安全および医療の質の向上に取り組んで来ました。平成31年には現第5代教授山浦 健が就任し、世界へ向けて新しい知見の情報発信、手術室以外での麻酔科医の活躍を求め医局員一丸となってさらなる麻酔学の発展のために取り組んでいます。